Google Workspace(Gmail、ドキュメント、スプレッドシートなど)を業務で使っている会社は、東三河の中小企業にもたくさんあります。実はその多くのプランに、Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」がすでに組み込まれています。つまり、追加のお金を払わなくても、あなたの会社はもうAIを持っているかもしれないのです。

ところが現実には、「名前は聞いたことがあるけれど、開いたことはない」「一度触ったけど、何に使えばいいのか分からずそのまま」という声が圧倒的多数。せっかくの道具が、ずっと引き出しの奥で眠っています。

この記事では、その眠っているGeminiを起こして、明日からの仕事にどう役立てるかを、専門用語をできるだけ避けてお話しします。

なぜGeminiは「宝の持ち腐れ」になるのか

Geminiを使いこなせない理由は、能力の問題ではありません。多くの場合、次の3つのどれかです。

一つ目は、そもそも「使えること」を知らないこと。Google Workspaceの契約に含まれているのに、社内で誰もアナウンスしていない、というケースは本当に多いです。二つ目は、「何を頼めばいいか分からない」こと。真っ白な入力欄を前にすると、人は固まってしまいます。三つ目は、最初にうまくいかなかった経験。ふわっとした質問を投げて期待外れの答えが返ってきて、「やっぱり使えない」と結論づけてしまうパターンです。

裏を返せば、この3つさえ越えれば、Geminiは十分に戦力になります。高度なプログラミングの知識は要りません。必要なのは「どんな仕事を任せられるか」を知ることだけです。

あなたのGeminiが眠っているサイン

次のどれかに当てはまったら、Geminiが活用しきれていない可能性が高いです。

  • メールの文面をゼロから毎回考えて、送信までに時間がかかっている
  • 長い会議の議事録を、あとから手作業でまとめている
  • 取引先に渡す文書のたたき台づくりに、いつも半日かけている
  • スプレッドシートの整理や集計を、関数を調べながら手探りでやっている

これらはすべて、Geminiが得意とする「下書き」と「要約」と「整理」の仕事です。人がゼロから生み出す必要はなく、Geminiに8割まで作らせて、人は仕上げに集中する――そういう分担ができます。

中小企業の業務で、今日から使えるGemini活用

Google Workspaceを使っている会社なら、特別な準備なしに次のことが始められます。

Gmail:メールの下書きと要約

長いメールのやり取りを開いて「これまでの流れを3行で要約して」と頼めば、経緯がすぐつかめます。返信も「丁寧に、納期の相談をする内容で下書きして」と伝えれば、たたき台が出てきます。ゼロから書くのと、直すだけとでは、かかる時間がまるで違います。

ドキュメント:文書のたたき台づくり

案内文、議事録、簡単な提案書。「〜について、お客様向けの案内文を作って」と頼めば、体裁の整った下書きが数十秒で用意できます。あとは自社の事情に合わせて手を入れるだけ。真っ白なページと向き合う時間がなくなります。

スプレッドシート:集計と整理の相談相手

「この表の売上を月ごとに合計したい」「この列を条件で並べ替えたい」といった作業も、やり方を言葉で相談できます。関数の名前を覚えていなくても、目的を伝えれば手順を教えてくれます。

Meet:会議の議事録づくり

オンライン会議の内容を要約させれば、「誰が何を決めたか」「次に何をするか」を後から手で書き起こす手間が省けます。会議が終わった瞬間に、共有できる形の議事録が手元に残ります。

「使いこなせない」を越えるコツ

うまく使う秘訣は、たった一つ。「具体的に頼む」ことです。「メール書いて」ではなく「取引先に、納品が3日遅れることをお詫びしつつ、代替案を提示する丁寧なメールを書いて」。このくらい具体的にすると、返ってくる答えの質が大きく変わります。頼み方については、別の記事で改めて詳しくご紹介します。

D-SELFがお客様のDX支援で標準的に使っているのも、この Google Workspace × Gemini の組み合わせです。すでに多くの会社が契約している基盤の上で、追加投資を抑えながら業務改善を始められる――これが、私たちがこの組み合わせを推している理由です。

まとめ:まず「一つの業務」で試してみる

Geminiは、特別な会社のための特別な道具ではありません。Google Workspaceを使っているなら、あなたの会社の引き出しにもう入っている、身近な道具です。大切なのは、いきなり全社で使おうとしないこと。まずは「毎日書いているあのメール」や「毎週まとめているあの議事録」など、一つの業務で試してみてください。手応えがつかめれば、活用は自然と広がっていきます。

D-SELFでは、東三河の中小企業がGeminiをはじめとする生成AIを実際の業務に落とし込んだ事例をまとめた事例集をご用意しています。「自分の会社の、どの業務から始めればいいのか」のヒントになるはずです。眠っているGeminiを起こす最初の一歩に、ぜひ事例集をご覧ください。